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Webディレクターの私が選んだ キャリアのための資格

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Webディレクターの私が選んだ キャリアのための資格4選

こんにちは。ディレクターの池原です。

1ヶ月ほど前にふと思い立って部屋にお花を飾ってみたところ、想像以上に良い効果があったため習慣に取り入れてみました。なんだか疲れたなぁと感じたら、静かに咲いているお花を眺めて心の落ち着きを取り戻しています。
最近ではお花の定期便(サブスク)ビジネスもあると知って驚きました。私にとって店員さんと会話しながらお花を選ぶことも楽しみの一つなので、しばらくは毎週お花屋さんに足を運ぼうと思いますが、サブスクもいつか利用してみたいものです。

ところで、私は目的と報酬を設定しないと何ごとも継続できないタイプです。
好奇心は旺盛なのですが、興味を持ってスタートしてみても続けた先に得られるものがイメージできなければ、モチベーションを維持できずに挫折してしまいます。

私にとって資格は、勉強を継続する上で目的と報酬の両方を担ってくれることがあります。
資格取得自体を目的にしてしまったとしても、取得するために学習した過程は絶対にムダにならないからです。知識を完璧に自分のものにするには取得後も学習を続ける必要はありますが、土台づくりのきっかけに資格を選ぶことは私にとっては近道かもしれないと感じています。

そこで今回は、これまでに取得した資格と、これから挑戦したい資格の中からWebディレクターのキャリアに役に立つと思われるものをピックアップしてみました。

Table of contents

  1. ウェブデザイン技能士
  2. Webクリエイター能力認定試験
  3. ウェブ解析士
  4. これから挑戦:中小企業診断士
  5. おわりに

ウェブデザイン技能士

Web業界への転職を決意してすぐに取得しようと思ったのが、Webデザイン分野で唯一の国家資格である「ウェブデザイン技能士」です。

ウェブデザイン技能士の資格を得るにはウェブデザイン技能検定に合格する必要があります。Web業界ではたらく際に必要な知識を包括的に求められるため、何をどこから勉強すれば良いのか悩んでいた私にはピッタリな資格でした。
もちろん知識だけで即戦力になるのは難しいですし、Webディレクターは経験値が必要な職種です。そのため資格の保有(3級は特に)がキャリアアップに役立つかは微妙なところですが、知識の習得が目的であれば受験する価値は大いにあると思います。ゼロからWeb業界入りを目指す方や入社前に準備しておきたい方におすすめの資格です。

ウェブデザイン技能検定は3級から1級まで等級が設けられています。2級以降の受験には「3級の合格実績」もしくは「2年以上の実務経験」などの条件を満たす必要がある一方、3級は「ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者」であれば誰でも挑戦できます。

3級2級1級
受検資格の条件ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者・2年以上の実務経験を有する者
・職業高校、短大、高専、大学を修了した者
・高度職業訓練を修了した者
・3級の技能検定に合格した者 など
・7年以上の実務経験を有する者
・職業高校、短大、高専、修了後、5年以上の実務経験を有する者
・大学卒業後、3年以上の実務経験を有する者
・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験を有する者 など
合格証書の発行元インターネットスキル認定普及協会理事長インターネットスキル認定普及協会理事長厚生労働大臣

詳細は公式サイトをご確認ください。

試験対策

検定は学科(筆記)と実技の2部構成です。
学科試験ではアクセシビリティやユニバーサルデザインといった用語の定義に関するものから、HTMLなどの言語知識、はたらく環境に関するものまで幅広く出題されます。すべて選択式問題なので、過去問をくり返し解きながら記憶に定着させておくことで私は問題なく得点できました。
公式サイトに練習問題と過去問が公開されていますので出題傾向が気になる方はチェックしてみてください。

マークアップ言語とスタイルシート言語の知識が問われる実技試験では、試験会場のPCを使用して課題を時間内に仕上げ、指示通りに作成したフォルダに格納した上で提出します。
出題の傾向としては、あらかじめ用意されたHTMLソースのエラー箇所を見つけて修正することを求められたり、CSSを使用してグラデーション効果を作ったりと、基礎的な知識があれば対応できる問題がほとんどでした。
慣れない環境で作業することが唯一の不安要素ですが、会場のOSやブラウザは事前に確認できるので、しっかりと準備して取り組めば問題ないと思います。

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験はHTML・CSSに関する知識によりフォーカスした試験です基礎的な「デザイン能力およびWebページのコーディング能力」を問われるため、Webデザイナーやコーダーを目指している方にもおすすめの資格といえます。
Webディレクターにおいては制作する機会がほとんど無いかもしれませんが、技術面の知識を強化しておけばクライアントへの提案や制作チームへの配慮がしやすくなると思います。

試験では会場のPCを使用し、HTML5とCSSを用いて課題をクリアしていきます。
認定基準はスタンダードとエキスパートの2つが設けられており、問われる知識の範囲が異なります。

  • エキスパート
    レイアウト手法や色彩設計等、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインを表現することができる。また、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイトを構築することができる。
  • スタンダード
    セマンテックWebを理解し、HTML5をマークアップすることができる。また、CSSを用いてHTMLの構造を維持しつつ、Webページのデザインやレイアウトを表現することができる。

参考:公式サイト

スタンダードが実技のみであるのに対して、エキスパートは知識と実技の2科目であることも特徴です。知識科目は選択形式問題をPCを使って回答します。

私は業界未経験でしたが、いきなりエキスパートから挑戦してみました。
概要からは難易度が高そうな印象があるかもしれませんが、HTML5とCSS、ユーザビリティなどの基礎的な部分をしっかり学習できればそこまで難しくないと思います。私はウェブデザイン技能士の受験対策も並行しておこなっていたので、相乗効果を期待してエキスパートを受験し無事に合格しました。

試験会場によりますが、PCのOSはMacかWindowsのオプションがあるので慣れているOSを選択できます。ただしコーディングに使用するテキストエディターは「メモ帳(Windows) / テキストエディット(Mac OS)」か「その他のテキストエディターアプリ」かによって試験時間が異なりますので注意が必要です。

エキスパートテキストエディター使用/110分
Webページ作成ソフト使用/90分
スタンダードテキストエディター使用/70分
Webページ作成ソフト使用/60分

参考:公式サイト

試験対策(エキスパート)

公式テキスト問題集で試験対策を行いました。
テキストを読み込んだ上で、問題集を使って練習することで基礎的な知識と技術は習得できると思います。Progateのような外部のサービスを利用してマークアップやスタイルシート言語を学習することもおすすめです。
公式サイトによればエキスパートの標準学習時間は38時間とされているので、日中お仕事をされている方でもスキマ時間に学習できるボリュームではないでしょうか。

ウェブ解析士

ウェブ解析士はWebマーケティングに必要な専門的知識と実践的スキルを習得していることを証明するための認定資格です。

認定資格を発行している一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)ではウェブ解析士の求人や案件の募集もおこなっているため、資格取得後に協会へ所属し「ウェブ解析士」を仕事にすることも可能です。キャリアアップへの貢献も期待できる資格といえるでしょう。

ウェブ解析士は企業のビジネスゴールを達成するためにはどうすればよいのかを一緒に考え、Webサイトの改善はもちろん、経営改善も提案できることが目標です。

たとえばWebサイトだけで完結しないリードジェネレーションサイト(見込み客獲得のためのサイト)は、Webサイトからの問い合わせをきかっけに商談を経て成約につながります。ウェブ解析士は「商談」フェーズの現状や課題も把握したうえでWeb戦略をたてるので、Webの知識だけではなくクライアントのビジネスから深く理解しなければなりません。そのため試験ではウェブ解析に加え、フレームワークやマーケティング手法、法律関連など、マーケティングに関わる広範囲な知識が求められます。

クライアントの課題解決を軸にすることはWebディレクターにも求められる思考ですし、取り入れる知識は実務でも役に立つものがほとんどなので、経験年数に関わらずWebディレクターは提案力を向上させる目的で受験してみても良いかと思います。

試験対策

受験を決めたのが試験の1ヶ月前とかなりタイトな状況でしたが、公式テキストと問題集を使って繰り返し問題を解きながら対策をおこない、ギリギリの得点で合格できました。
試験対策については過去に執筆した「ウェブ解析士を受験してみた」の記事で詳しく紹介しています。

これから挑戦:中小企業診断士

現在はキャリアアップのために中小企業診断士の資格取得をめざしています。

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。一般社団法人 中小企業診断協会

国の認証を得た経営コンサルタントというイメージですね。
経営に関わる知識を体系的に身につけることから日本版MBAとも言われています。

中小企業診断士を選んだ大きな理由は、Webを超えた次の提案ができるようになりたいと思ったことです。
Webディレクターは企業の経営者と接する機会が多い職種ですし、経営に関する知識があれば、提案の質をさらに向上できるのではないかと考えています。また自社の改善活動にも活用できるため、経営知識は習得しておいて損はないでしょう。

中小企業診断士試験は1次と2次で構成されています。
1次試験は以下の7科目があり、すべてマークシート(選択形式)による試験です。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・中小企業政策

試験の内容が網羅的になっているのは、経営アドバイスが戦略論だけで通用するものではなく、中小企業をとりまく外部環境と内部環境、両方の分析をふまえた上での提案が求められるからです。
 
2次試験では記述形式の筆記試験と口述試験をクリアする必要があり、1次試験で習得した知識を応用して事例問題に取り組みます。

受験条件はないため希望者はどなたでも受験できます。
受験者層としては30代後半〜40代前半が中心で、働きながら受験する方がほとんどだそうです。(参考:資格の学校TACー中小企業診断士
経営知識を横断して学ぶ必要があるだけでも合格のハードルが高く感じられますが、受験対策と現職の両立で時間配分が難しいのも難関資格とされている理由のひとつかもしれませんね。たとえ合格できなかったとしても学習したことが自分自身のキャリアアップと会社の成長、両方に貢献できることを信じて資格勉強をすすめています。

おわりに

Webディレクターのキャリアに役立つ資格は他にもたくさんあります。Webディレクターを目指しているけど業界未経験で不安な方、すでにキャリアがあるけど今後どのようにステップアップしていけばいいのか分からない方は、きっかけとして自分の興味のある資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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Author | Shiori Ikehara / 4,523views

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